
お知らせ
2026年6月25日
気管支喘息(きかんしぜんそく)と咳喘息(せきぜんそく)は異なる病気?それとも類似の病気?
典型的な気管支喘息(きかんしぜんそく)は喘鳴(ぜんめい/ゼーぜー)や呼吸困難を呈する呼吸器の病気で、しばしば咳嗽(がいそう)を伴います。喘息治療薬(吸入ステロイド薬や気管支拡張薬など)が有効です。
咳喘息(せきぜんそく)は、喘息治療薬が有効な咳嗽で、喘鳴や呼吸困難は伴いません。
しかし、喘息の患者さんの中には喘鳴や呼吸困難はたまにしか認めず、普段は咳嗽が多い方がいます。また、咳喘息の患者さんをよく調べると気管支喘息のように時々喘鳴や呼吸困難を認めることがあると報告されています。このような場合、気管支喘息と咳喘息を明確に区別することはできません。
一般に、気管支喘息は慢性の病気で、「一度診断されたら生涯治らない」と受けとめる方が多いようです。一方、咳喘息は急性~亜急性の病気で、「治療すれば気管支喘息にならない(慢性化しない)」と受け止める方が多いようです。そこで、中にはご自身が「気管支喘息」か「咳喘息」か、診断名にこだわる方がいらっしゃいます。「気管支喘息」ではなく、「咳喘息」といわれると、治る見込みがあると受け止め、安心されるようです。
気管支喘息や咳喘息は、①感冒罹患、気温や気圧の変化、アレルゲン曝露(大掃除、黄砂の飛来、動物との接触など)、有害なガスの曝露(タバコや線香の煙など)、ストレス、激しい運動、飲酒などが引き金となり、繰り返し症状が発現する、②症状がたまにしか出ない場合もあれば、頻回に出る場合もある、③喘息治療薬が有効である、といった点でも共通しており、類似の病気といえます。
当クリニックは喘息治療薬が有効な咳嗽をしっかり見極め、気管支喘息か咳喘息かといった病名にはこだわりすぎず、広く「喘息性咳嗽」として捉え、個々の患者様の病状(症状の頻度や重症度)に応じた治療を心がけています。
参考文献:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン第2版2025(日本呼吸器学会)
