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​お知らせ

2025年4月24日

百日咳の流行について

2025年に入り、子どもを中心に「百日咳」の感染が全国的に拡大しています。

百日咳は、咳(せき)が長引く細菌感染症です。

典型例は1〜2週間の潜伏期の後、咳、鼻水、発熱などの”風邪(かぜ)”症状が1〜2週間みられます。次第に咳が強くなり、発作性・連続性の咳が発現するようになります。咳の合間に吸気性笛声音を繰り返すこともあります。咳は夜間に強く、嘔吐を伴うことがあります。乳児では無呼吸、痙攣(けいれん)、意識障害を生じて重症化することもあります。このようなひどい咳は4〜8週間持続します。その後、1〜2週間で徐々に回復します。

発症から回復まで約2〜3ヶ月(約百日)要するため、百日咳と言われます。

治療薬は抗菌薬(アジスロマイシンやクラリスロマイシン)が有効です。咳が強くなる前の”風邪(かぜ)”症状の時期に投与すると症状は軽減し、周囲への感染拡大を抑制することができます。

ただし、百日咳と普通の風邪(かぜ)の”風邪(かぜ)”症状は、症状だけでは区別できません。迅速な診断にはPCRやLAMPといった核酸増幅検査が必要ですが、どこの医療機関でもできる検査ではありません。また、特に成人の場合、菌量が少なく、感度は十分ではありません。

重症化しやすい小さなお子様が風邪を引いた際、周囲に百日咳が流行していることが明らかであれば、PCRやLAMPといった検査を行うことが勧められます。



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